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花色記録班-作品になる-

執筆者の写真: 和泉せんり和泉せんり

こんばんは。

今回のブログを担当させていただきます、和泉せんりです。


花色もめんの旗揚げ公演「バビロン・シティー瓶詰めの不安ー」は、無事終演いたしました。花色もめんがこの世に存在し始めてから2年以上の月日が経ちましたが、今日まで見守ってくれた皆様がいてこその今だと強く感じております。

見守ってくださりありがとうございます。

そして公演を見に来てくださった皆様、ありがとうございました。皆様が足をお運びくださったからこそ、今回の公演の成功があると存じます。


これからも、皆様にワクワクしながら待っていただけるよう精進いたします。どうぞ末永く花色もめんをお願いいたします。



前回は山本さんがブログを書いてくれました。

山本さんが今回の戯曲について、書いたきっかけや今回なぜこの戯曲を選んだかなどを綴ってくれていました。



公演を見に来る前に読んでくれた方も多いと思いますが、公演を見たあとにも読んでくださると嬉しいです。

また違った視点で作品を思い出すことができるかもしれません。


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無事旗を揚げる事が叶ったわけでございます。

思えば色んなことがあったような気がしていますが、思い出話は長くなるから割愛…

いや、少しだけお話します。

私たちは元々は稽古をする場所が欲しくて集まったメンバーでしたが、だんだん仕事にしようと、公演をしようという話になって、「花色もめん」という名前で世の中に出ることになりました。

以前の山本さんのブログにも役者という仕事についての記述があったように思いますが、私は「価値」になることとは、「仕事」になること、しいては「お金」になるということとイコールで結ばれて然るべきだと思っていたので、それが叶わないのが、更には自分の実力が悔しくておりました。

そんな中授かったこの環境、仲間と価値を作ることができること。本当に有難く思っています。

まぁ、何を価値としているかはそれぞれの中で若干違うと思いますが、一つの団体で一つの作品を作る上で、同じ方向を向くことができるのは幸せだと思います。本当にありがとうございます。


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さて、この機会なので今回の公演のことについて書くのが道理かなと思います。

今回の公演は旗揚げにも関わらず、3日間7ステージで総勢315名の方に見ていただくことが叶いました。私はあまり詳しくないのでこの数字がどの程度なのかはわかりませんが、聞くところによるとかなりの動員数だとか。ありがたいことでございます。

当日のカーテンコールで皆様にお願いした甲斐もあり、SNSに感想を書いてくれる方が多くいらっしゃって、嬉しいお言葉も厳しいお言葉も自分の糧となるよう大変有難く受け止めている次第でございます。

また、皆様から頂いたアンケートなども拝見いたしました。この演劇を通じてお客様一人一人にどんなものをお届けできたのか、また、お届けできなかったのか、心に刻むようにして読みました。


読み進める中でとある発見をしました。

アンケートの中には、「特に気になった役者を教えてください」という文字とともに、出演していた役者とその役名が書かれている欄があったのですが、私の紹介で見に来てくださったお客様が、私以外の役者にマルをつけていたのです。

私はその時、この方は私ではなく作品を見てくれたのだなと思いました。そして無性に嬉しくなりました。

もちろんそのアンケートで、私にマルをつけていただけることは大変光栄です。私がご招待している以上、少なからずその方は舞台の上で私を探すでしょうし、知らない人の中に1人だけ知ってる人がいれば、そちらに目がいくのは自然な事だと思います。

でもその人は、私じゃなくて別の役者にマルをつけた。その役者が素晴らしかったのかもしれませんし、1番自分の心に近いと思ったのがその役だったのかもしれません。理由はわかりませんが、私にマルを付けなかったんです。

嬉しくてにやにやしました。その方の素直さに感動すらしました。私たちのことをきちんと役者として、舞台のことをきちんと作品として見て貰えたんだって思いました。


また、SNSでの感想を拝見している時にも同じような発見がありました。

今回ご来場くださった方の中には、メンバーのお知り合いや別作品での共演者様なども多くお見受けしたように感じておりましたが、出演者と初対面の方ももちろんいらっしゃって、特に私や都夏、みおちゃんは、あまり皆様に「役者」の姿をお見せする機会が今まで無かったものですから、役者として舞台の上からはじめましてをするといったこともございました。

役の時と普段の時のギャップのようなものを楽しみに演劇を見に来る方も多くいらっしゃって、それはそれで素敵な楽しみ方だと思います。ご感想を拝見している中に、例えば「普段はおちゃらけた人だけどこんなに難しい言葉に説得力をもたせられるんだ!」といったような、その人の新たな一面との出会いを楽しんでいらっしゃるものもいくつも拝見し、お知り合いならではの楽しみ方だなと思いました。

ただ、今回私が特に嬉しく感じたのはまた少し別のご感想で、「役者の名前も知らないしはじめましてだけれど、あの役のあのシーンよかったよね」といった感想や、別段役者の名前を上げる訳ではないけれど作品全体の雰囲気や感想、考察などを書いてくれている投稿でした。


私は「作品になる」ということは、こういうことなのだろうかとはじめて思いました。

「和泉せんり」ではなく、「作品」を見ていただけているような感触。我々がここ数ヶ月ずっと心の中で膨らませていた「作品」というものに対しての敬意が、少しでも伝わったのかなと思って、ある種救われたような、そんな心地さえしました。

時間であり、場所になれた気がしました。記憶に、思考になれた気がしました。

役者でいてもいいと言われた気がしました。


もしこれから花色もめんという団体の名前がもっと多くの方に知れ渡るようになったら、きっと私のとこなど何も知らないどこかの誰かみたいな方へ向かってお芝居をすることが多くなるのだと思います。

その時私は花色もめんの作る作品をみせられる役者でありたい。それが私の仕事であり、役割であり、誇りであって欲しい。

そう思います。


最後までお読み下さりありがとうございました。

まだまだ未熟者ではございますが、これからも精進できるよう尽力いたします。

願わくば次も、劇場でお会いしましょう。


 

担当者:和泉せんり



和泉せんり △ Senri Izumi

大阪府出身 1999年7月6日生まれ 25歳

アイドルシンガー

幼い頃よりヒップホップを学び、高校時にはミュージカル、演劇、朗読、ラジオドラマなど、幅広い出演経験あり。

また、ラジオドラマ脚本や編集、演劇に使用する美術などを担当することもある。

京都を拠点に活動するアイドルグループのセンターを、グループ結成以来1年半務める。

現在は都市部でのソロ活動や、企画MCもこなす。

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