めっきり寒くなったかと思うと、日中はそうでもなかったり、かといって帰り道は結構寒かったりと、面倒な気候になってきましたが皆さんはいかがお過ごしですか?しかし割と僕はこの季節この温度好きなのですが。
さて、前回はみおが本番直前の役者の気持ちみたいなものを代弁しておりました。舞台を背負うということはそれなりにしんどいことで、しかし光栄な事で、自分も彼女くらいの歳の頃に感じていた事だなとシミジミしました。ここからもう一歩踏み出せるかどうかが、今後の役者人生を左右しますので、彼女にはもう少し負荷をかけていこうと再認識しましたね。
そんな彼女のブログはこちらから。
さて、我々花色もめんの初陣がすぐそこまで迫ってきております。狙ったわけでもなく直前に筆をとる順番が回ってきたことに、なんとなく宿命のようなものを感じています。どうぞ皆様、ご予約お願い致します。11月30日〜12月2日布施でお待ちしております。
今回は直前と言う事で、流石に【バビロン・シティ -瓶詰めの不安-】について書きたいと思います。次に回ってくる時には恐らくもうタイミングを逸してると思いますので。
僕がこの話を書こうと思ったのは凡そ7年前、なので足掛け実は7年の作品です。
当時の僕は急に「人形が街を救いに行く話」を書くと言い出しました。
何を思ってそんな事をいい出したのかちゃんと覚えてはいませんが、周りの人間がひどく驚いていた事は覚えています。当時の僕はポップでアナーキーと自称していたわけで、自分の作風とかなりかけ離れていた設定だったからだと思います。
しかし当時の僕は自分が忙しくなり始めていて、企画をつくるキャパシティが足らず書きかけの戯曲を放置する事を選びました。
序盤の方まで書き進めて7年放置していたのです。
僕はそういった作品が実はかなりの数あります。少しづつ書き進められればとは思っていますが。そのうち皆様にもお披露目する事になるかと思います。
さて僕がこの書きかけの戯曲を放置している間に、世間では様々な事が起きました。
一番大きかったのはやはりコロナでしょう。
その最中に僕はかなりの量の仕事を失い、暇になりました。あまりにも暇で戯曲でも書こうと思いたち、自分の書きかけの戯曲をパラパラと読み漁っていた時にこの戯曲と再会しました。書き始めた時はなんとも思っていなかった「街の病気」というワードがいつの間にかとんでもなく使いにくいワードに変化していてドキリとしました。しかしそれと同時に僕はこの戯曲は書ききらなきゃいけないなと漠然と思ったのです。そんな時にひょんな事から「花色もめん」という企画を始めることになりました。その時の僕はこの戯曲とこの企画がつながるとは思ってもいませんでしたが。
しかし「花色もめん」で芝居をうつことになってどの戯曲をやるのか?を考え出した時にやはりこの戯曲だなと思いました。今やらないとこの戯曲は死んでしまうかもしれないなと思ったのです。でも同時に茨の道だとも思いました。この戯曲は決して旗揚げに向いている戯曲ではありません。誤魔化しの効かない戯曲ですし、それなりのものを役者に要求する戯曲です。はっきり言ってまだ早いと思いましたし、今でも思っています。メンバーもそれはわかっているとは思います。だからみんな必死に食らいついています。今の段階で僕が想定しているよりも随分と食らいついて来ています。しかしまだ足りません。もっともっとやれるはずです。これを書いている今日は11月16日、ここから本格的に稽古は佳境に入っていきます。より良いものを目指して全員一丸となって挑みます。
これを読んで少しでもご興味を抱かれた方は是非とと布施に遊びに来てください。よろしくお願い致します。
山本善之
担当者:山本善之
奈良県出身。1992年10月15日生まれ。
大蔵流能楽師狂言方 戯曲家 演出家 役者
6歳の頃四世茂山忠三郎倖一に師事、現在は五世茂山忠三郎良暢に師事。
二十歳で「千載」を披く。
舞台を中心に能狂言問わず様々な公演にて活動中。
主な出演作品は、狂言風オペラ「フィガロの結婚」(ケルビーノ/蘭丸役)演 藤田六朗兵衛、「繻子の靴」(国王役 他)演 渡邊守章 等
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