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執筆者の写真木ノ川ゆづき

心に正直に。

どうも、次の木ノ川です。


前回はせんりが「気持ちの整理」についてを書いてくれました。自分を守っていた殻を1つ自覚して1歩進めた、という彼女なりの近況報告でした。


さて、花色もめんが始まってからメンバー同士で書き続けているこのブログ。好きを語ったり、悩みがあったり、ある時は希望が見えたり、、ラジオでは語れない声が書かれている事が多かったと思います。


毎度皆さん、どのくらい楽しみにしてくれているのでしょうか?読んでいて何を感じますか?


メンバーみんなバラバラな事を書いているように思いますが、「花色もめんで舞台を作るため」という同じ目的があり、その過程の稽古や暮らしの中での心境の変化を書き記し、それを互いに確かめるような役割がブログにはある、と私は感じています。


ーー


少し時間を遡り、去年の10月頃からの話です。

花色もめんでは一つの課題が出されました。公演に関わる大事な課題です。

「かもめ」という、チェーホフの戯曲のワンシーンを用い、個人で”演技の組み立てを行い、完成させる”という課題。


それぞれ力の差はありつつも、

あっちゃん、みお、けんご、つげ……

とクリアしていき、最後まで残ったのが"私"と"せんり"でした。


せんりは、感情が上手く扱えなかったり、周りへの意識が難しかったりという内面が演技に影響していて、今も戦っています。前回のブログが、その戦いから出てきた変化の表れです。


私は、「役者とは何なのか、誰のための表現なのか」が分からず前に進めませんでした。そして同時に、私はこの課題を最後に今後活動を辞めようかと迷っていました。その不安が演技への向き合い方に繋がり、上手く演じるという事が出来ませんでした。


感情と対峙する。


これがお客さんには見せてない所での去年最後の活動です。


ーー


課題と同時に……私は一度この界隈から離れる事も考えておかねばならないと、職探しもしていました。求人広告を眺めながら、たまたま辿り着いたのがアンティークを軸にした”リノベーションデザイン”の求人。


元々アンティークの雰囲気や人の温かみがある家具が好きだったし、「お客さんとデザイナーが一緒になって求める形を模索する」というのは何か私の中で心地が良かったんです……。コレかもと思い、実際にお店を見て肌で確かめ、自分の大学から今の活動までまとめたポートフォリオを作り、面接までしてきました。


これは終わってから気がついたのですが、「お互いの擦り合わせはあるけれど、結局じゃあ週5日、いつ来れる?」と圧のある聞かれ方をされた時、私の中であ〜社会怖っ、この人達に尽くさねばならんのかと思ってしまったんです。


結果は、求めている人材ではなかったのでごめんなさいのメールが一本。でも私にはそれで良かった、結局自分で許せんのです、私以外でも良いじゃんという理由が見えることが、私が今そこにいるという事を無視されるのが、ダメなんです。


そう思った時、私は自分の課題への向き合い方がはっきりした気がして、演技が出来ました。この役を自分のものにする、自分に溶け込ませていく表現だと、今現在の私の役者像はそう思っています。


活動はまだ続けます。

場合によっては、1年後また急に身の振り方を考え直したりするかもしれませんが、やりたい形は見えました。


その人がその物を大事にした理由が私は知りたい、感じたい、作りたい。それは私に対してしかり、他の人にもしかり。それを後押し出来る存在で私はいます。


一年前に撮影した私達のインタビュー動画を最後に、この一年また自分の表現を深めていきます。


私が感じている何かを感じ取ってくれる物がこの中にあるかも、ではまた。


 

担当者:木ノ川ゆづき



兵庫県出身、1999年8月30日生まれ。


高校から絵や立体物の制作を始め、「感覚」をテーマに目に見えない物や消えていってしまう物に対して作品を作っている。現在は絵、立体物、写真、デザインと多岐にわたり活動を進めている。


そして2022年、役者として活動を始める。目標は自分の絵や写真を使った一人芝居を作ること。

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