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執筆者の写真和泉せんり

花色記録班 -初心-

皆様こんばんは。

夏も近づく八十八夜は、立春から88日目のことを指すそうですよ。

野にも山にも若葉が茂るこの季節、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

今回のブログ担当は和泉せんりでございます。

念の為申し上げておきますが、タイトルは初心LOVEの「うぶ」ではないです。「しょしん」です。



前回のブログ担当は山本さんakaボスでした。

順番的に毎回ボスのブログを紹介してる気がするんですけど、気がするというか確実にそうなんですけど、ブログを介して私たちが日々大切にしている「稽古」について書き連ねていただきました。



毎度とても勉強になる山本さんのブログですが、まさか私たちにかなり直接的なメッセージを交えて書いてくださるのには少し吃驚しました。

まぁ、ボスは基本ツンデレですのでね。

いつも見守って下さりありがとうございます。



さて、悲しいお知らせがあります。

録画してたプリキュアが消えていました。

気に入ったエピソードがあったので見返せるように残しておいたはずなんですが…

特にプリアラ(正式名称はキラキラ☆プリキュアアラモード)はお気に入りのシリーズです。

プリキュアはシリーズごとにそれぞれ、作品のコンセプトみたいな、力の根源みたいなものが設定されています。本シリーズは、スイーツをきっかけに出会った女の子たちが、スイーツを守るために戦う話です。

しかし、私が思うに、彼女達の力の根源はただスイーツというものだけにとどまらないと思います。彼女達の力の根源は、「大好き」なんじゃないかなって気がするんです。

スイーツと、スイーツを通じて出会った人々の笑顔を守りたいと願う彼女達の「大好き」の力からは、勇敢に強敵に立ち向かうための説得力さえ感じられます。


そして見る度に思うんです。私の「大好き」はなんなのだろうと。



花色もめんは演劇ユニットです。当然ですがお芝居の稽古をします。

稽古に使う戯曲が決まり、役が振り分けられます。私は稽古の日までにそれを読んできます。

稽古に臨みます。色々ダメ出しもされます。その度にできなかったところができるようにメモしたり、知らないことは調べたりします。それを繰り返します。

しかし、どうしても、何度やってもできないことや、同じダメ出しを頂くことがあります。戯曲とにらめっこして、自分では修正しているつもりなのに、それも違うと言われます。何が違うのか、どうすれば良くなるのか、私には分からなくて山本さんに説明を求めますが、それでも私の中で上手く消化しきれず、思うようなパフォーマンスが出来ません。

そういう時、決まって山本さんに「もっと楽しみなさい」と言われます。

楽しむってなんでしょうか。目の前の本を追いかけながら、ダメ出しで貰った内容も意識しながら、相手の言葉も聞きながら… それでいて楽しむことが必要だと。

でも確かに楽しめていた時もあるはずなんです。じゃないと仕事辞めてまでやろうと思いません。でも今は楽しむことに照準を合わせられずにいます。


そんな折に、とあるお方とお話した時のことを思い出しました。その方は演劇とは関わりはありませんが、ご自身がはじめたお仕事でご活躍されている方で、忙しそうではありますが、とても楽しそうに仕事をしていらっしゃいます。

私はその方に「貴方の原動力はなんですか」と尋ねました。その方は「自分がこの仕事を始めるきっかけとなる出来事があったんやけど、その時自分が感動したように、その時の自分を感動させられるような仕事がしたい」と答えてくれました。即答でした。

そういえば山本さんも、自分が一番最初に感動した狂言を忘れるなと兄弟子さんに言われたことがあるって仰ってました。「初心忘るべからず」という言葉は昔からある言葉ですが、本当にそうらしいのです。


私は、私が初めてお芝居に触れたのはいつだろう、どう思っただろうと思い出してみることにしました。

本当の1番最初は、ほんとにお遊戯会程度でしたが多分保育園の頃で、参観でお父さんやお母さんに見せるための劇をしていました。

その後は小学校での発表会とかだと思います。

その頃はただ、上手だねって褒められることが嬉しくて、あと単純に目立ちたがりだったので、積極的にセリフの多い役などに立候補していた気がします。

高校生の頃に初めて2時間の作品に携わりました。(ちなみに誘ってくれたのはあっちゃんです笑)

共演者には私より小さな子もいて、商業的な舞台ではありませんでしたが、それでも私の中には沢山の発見や衝撃がありました。


多分「大好き」や「楽しい」の根源はそこにあるのだと思います。思いますというか、思い出しました。

もちろん知識も経験も、今ですらまだまだですが、今以上に稚拙でした。それでも初めて触れるお芝居の世界が新鮮で楽しくて、一緒に舞台に立つ友達と作り上げる瞬間一つ一つが特別で、上手な子がいれば悔しくて、どんなことしてるんだろうって盗み見たりして、稽古時間以外にも舞台のこと考えて、どうすればもっと素敵になるかなって。

そしてその瞬間が、その空間が大好きで、自分もドキドキして、共演者やお客さんをドキドキさせるのが大好きで、その感覚が忘れられなくて、仕事があったのに辞めちゃって、ふと戻ってきてしまったのだと思います。



高校生の頃初めて真剣にお芝居に触れてからもう7年ほど経ったでしょうか。高校を卒業し、就職し、自分でお金を作るようになり、それでも家の仕事をしたり、社会に出たことにより付き合いもでき、大人としての社会責任もできました。

1か月も夏休みがあって長いなぁ、クラスメイトと1か月も会えないなんて暇すぎて死んじゃうかもなぁなどと、ゆっくり流れる時間を悔やんでいた頃の私とは比べ物にならないくらい、毎日はあまりにも目まぐるしく過ぎてゆきます。

やりたくてはじめたはずなのに、見たい景色があったはずなのに、楽しむってなんだろうとか、大好きってなんだろうとか思ってしまって。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃから、あれもできてない、これもできてないになってしまって。そのうちできないことがあんなにもこんなにもなって、できないことばっかり目に入って、自分はこんなにもいっぱいいっぱいなのにまだできないことがあるなんて、じゃあもっと頑張らないといけないのかと思ってまた予定詰め込んだりして。

お金の話も技術の話も、花色企画会議ではちょこっと真剣に取り上げたりするので、皆様もなんとなくでもちらほらでも耳にしていると思います。いちばん聞いている話なのに、いちばん翻弄されてるんです。それでもできない自分がかっこ悪くて、なんでもこなせて元気なふりばっかりしてるんです。自分でも自分の首絞めてるとしか思えませんが、そんなことしかできないんです。阿呆ですよね。


でも大好きや楽しいができていた頃の自分を思い出して、少しだけ戯曲を読むのが楽になりました。これからも自分が真剣に取り組めば取り組むほど、課題も増えるし頭を悩ませることも増えると思います。まだまだ今も右も左も分からなければ、前も後ろもわかりません。怖いことも沢山あります。

それでも皆様のお目にかかる日には、めっちゃいい顔したせんりでお会いしたいと思います。


こうして皆様が見ている場で弱音を吐くことはほとんどないのですが、今回は少しだけ甘えさせてもらいます。お目汚し失礼致しました。



最後はちょっとだけ自慢。

これみおちゃんに褒めてもらった写真やで。


次は星の王子さまです、お楽しみに。


 

担当者:和泉せんり



和泉せんり △ Senri Izumi

大阪府出身 1999年7月6日生まれ 23歳

アイドルシンガー

幼い頃よりヒップホップを学び、高校時にはミュージカル、演劇、朗読、ラジオドラマなど、幅広い出演経験あり。

また、ラジオドラマ脚本や編集、演劇に使用する美術などを担当することもある。

京都を拠点に活動するアイドルグループのセンターを、グループ結成以来1年半務める。

現在は都市部でのソロ活動や、企画MCもこなす。

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