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執筆者の写真山本善之

4周目  稽古について

最近なんだか暑かったり寒かったりの連続で、花粉症がやっと終わったかと思えばジリジリ日差しが暑かったり、でもまぁ過ごしやすい季節なのかなと思ったり思わなかったりしていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

ブログ4周目になりまして、自分でタイトルを書いてももうそんなになるかなんておもったりします。せんりに言われるまで、1周年なんて考えもしてませんでしたがいざ言われると意識してしまうけれど、何か考えたほうがいいんでしょうかね?

前回の実央のブログはこちらです。



さて、今回は何を書こうかと悩んでいたのですがまぁ自分なりに芝居の事を書いた方がいいのかななんて思っているので、今回は思い切って「稽古」について書こうと思います。


さて、みなさんは稽古というものをしたことはありますか?

僕は古典を生業にしている人間ですので「稽古」という言葉はとても近しい言葉なのですが、皆さんはどうでしょう?

「稽古」と聞いたらどんなイメージを抱かれるでしょうか?


よく「稽古」というと「練習」ね。と、返される事があります。僕はそれがとても嫌いです。僕の中で「稽古」と「練習」は全く違うものだからです。「稽古」の「稽」という字には考えるという意味があります。古い事を考えると書いて「稽古」といいます。

「練習」は読んで字の如く、習ったものを練るといういみです。なので「練習」はするといい、「稽古」はつむといいます。


なんだか全く違うものと思えてきませんか?


僕は芸は「稽古」をしないと上達しないとおもっています。習った事を反復することは大切な事ですがそれは家でやることだと思います。最近の子はみんな「練習」はしますが「稽古」をしません。すぐに稽古場で練習をしようとします。

やはり稽古場では「稽古」をしないと。

先人がやってきた事はどんな事だったのか。何を考えていたのか。どんな失敗を重ねどんな成功を重ねそこにいきついたのか。それを自分にどう活かすのか。本に向き合うときもそうです。新作でない限り誰かが必ずその役に向き合い、苦しみ、失敗し、成功し、色々な事が積み重ねられているはずなのです。

それを考えないのはとても愚かな事で、損な事で、誤解を恐れずに言うならば「自分なりの演技」なんてものを考えるより遥かに大切な事だと思います。その理由は次回に「役者の仕事」とでも題して書きたいとおもいます。(本当に書くかわかりませんが‥笑)


演劇への向き合い方、演技への向き合い方、芝居への向き合い方。これは素人と玄人でとてつもない差があると僕は思っています。

玄人としてやりたいなら三次元的な向き合い方ではなく、四次元的な向き合い方を模索せねばならないと思います。


実は今回は花色もめんのメンバーに読んでほしくてこういうものを書きました。言葉では言ってると思いますが、こういう文書で読むとまた違う印象を受けるかな?分からないけれど。少しでも今みんなが悩んでる事の参考になれば。


長々お付き合い頂き有難うございます。メンバーの成長を暖かく見守って下さると嬉しくおもいます。

まぁ、まだまだ僕自身、偉そうな事は言いますが、若輩者で未熟者ですのでメンバーに負けないように、日々自分に言い聞かせている事でもあるので。

ではでは。次はせんりかな?



            山本善之

 

担当者:山本善之



奈良県出身。1992年10月15日生まれ。

大蔵流能楽師狂言方 戯曲家 演出家 役者

6歳の頃四世茂山忠三郎倖一に師事、現在は五世茂山忠三郎良暢に師事。

二十歳で「千載」を披く。

舞台を中心に能狂言問わず様々な公演にて活動中。

主な出演作品は、狂言風オペラ「フィガロの結婚」(ケルビーノ/蘭丸役)演 藤田六朗兵衛、「繻子の靴」(国王役 他)演 渡邊守章 等

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